高木文明が4世帯家族から与えられた大きな影響とは

高木文明はサラリーマンの父と看護師の母との間に生まれた一人息子です。兄弟はありませんが4世帯同居の家に育ったので幼少期から賑やかな家族の中で過ごしています。家族構成は、高木文明の家族の他に元教師の祖父と祖母、父の妹と弟家族の4世帯で同世代の子供が6人の構成でした。
父母共に仕事が忙しく、特に母は救命救急の看護師であったのであまり家には帰れない人でした。しかし物心ついた頃には多くの親族が家族として家の中で生活しており、特に寂しいと思ったことはありません。父の双子の弟である叔父が子供好きで自分の3人の子供たちと全く同じように接してくれたので、楽しい幼少期を過ごすことが出来ました。
とは言え両親も普段多く接することの無い高木文明への気遣いであったのか、毎年のクリスマスには必ず両親二人が揃う様に仕事のスケジュールを組んでくれていました。12月24日は高木文明の誕生日でもあったからです。父と叔父と祖父がサンタクロースに扮して6人の子供たちにクリスマスプレゼントを用意する仕掛けが毎年手が込んでおり、広いリビングに皆で飾りつけた2メートルほどの大きなクリスマスツリーの下に真夜中にプレゼントを置いていく際にベルの音を流したりと演出の細かさに拘りがありました。子供たちもお礼のクッキーを手作りで用意するなど子供も大人も楽しんでの大イベントで、企画の中心はやはり楽しくて派手なことが大好きな叔父でした。他にも誕生会や子どもの日、父の日、母の日、敬老の日などイベントは常に大掛かりに行うことが4世帯家族の恒例です。
この頃から人を喜ばせることの素晴らしさを身を持って経験し、叔父のようないつも明るい笑顔で人生を謳歌する大人に成りたいと思った少年時代を送りました。

高木文明が高校生になる頃に叔母が再婚をし二人の姉妹を連れて新しい家に引っ越しました。従妹は赤ちゃんの頃から面倒を見ていたので妹同然でありちょっとだけ寂しい気持ちになったのを覚えています。
家を去る彼女たちに何かをしたい思いがあり、高木文明の得意である絵をプレゼントしようとも思いましたが喜ばれる自信がなく、女の子が喜ぶような物をつくることに決めました。叔父や祖父のように大きな企画を積極的に行動に移す性格では無いので、手先が器用なことを利用してのプレゼント制作でした。幼少期から大家族で育ったためか自立心だけは早い内に備わっており、裁縫などは全て自分の手で行っていたので、購入したハンカチへフチ飾りとしてレース編みを施すことは結構簡単に行うことが出来ました。制作の難しさよりも男がレース編みを編んでいることを友人たちに知られないようにすることへ神経を注ぐ方が大きかったかもしれません。従妹たちは高木文明を揶揄いながらも大いに喜んでくれ、このことがきっかけとなって物づくりへの道を進みたいと思うようになったのです。
因みにハンカチにつけたレース編みは大家族にいる女性陣から絶大な評価を受け結局皆のために制作をすることになり、母が涙して感動してくれたのが印象的でした。小学生の頃から家庭科と美術の成績がとても良かったので、どちらかの技術を活かせる職業に就きたいと思い立ち、叔父へ相談をしました。父からは大学へ進学し大企業でなくても良いから地に足のついた職業を目指すように思春期になるころには言われていたので、叔父にしか打ち明けることが出来なかったのです。
叔父は高木文明が本当にしたいことを目指すべきと諭してくれ、幼い頃からずっと好きだったアニメーションの制作現場への就職を目指すことを決めました。

高木文明は父の反対を叔父と祖父の力を借りて押し切り、アニメーションの専門技術を学ぶことの出来るメディア系の専門学校に高校卒業後に進学しました。美術大学へ進むには思い立ったのが遅かったため、専門学校でアニメーターを目指すことになりました。
専門学校では多くの技術を学び、同じ道を目指す仲間やライバルたちに囲まれて刺激的な毎日でした。制作会社へ赴いての就労体験ではアニメーションの制作現場がいかに楽しいばかりでないことを知り洗礼を受けることになります。とにかく絵では高度なデッサン力が問われ、また描く速度も求められます。何処の出身かとスタッフの方に質問された後すぐに故郷へ帰った方がいいよと言われたことはいまだに忘れることが出来ません。また様々なスタジオなどへ行くことを命じられるのですが、地方出身の高木文明には首都圏の交通網を理解する間もなく勉強や制作物への取り組みに没頭していたので途方に暮れたこともありました。
ただ高木文明は大勢の人々と同じ空間で長い時間を過ごすことにストレスを感じることが無いので、アニメーションの現場にはすぐに適応できると考えていました。専門学校を卒業後は契約社員として数年間は好きなアニメーション制作に携わっていましたが、夢と言うものは叶えてからが難しいものだと言うことが身に沁みて、業界から去ることを決心したのです。
現在は保育士の免許を取り、日々子供たちに囲まれながら幼稚園の絵と裁縫が得意な先生として高木文明は毎日を楽しく過ごしています。

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